ラル・ザレックを真面目に考える

プレビュー初日にいきなりの目玉カードが登場したわけですが、さてこやつはどんな感じなのでしょうか。

マナコストは（2）青赤の4マナ。4マナPWといえばどこを見てもまさに激戦区。それだけに強力なデザインが望まれますが、さてさて。
4マナといえば神ジェイス？　言った人は廊下でたってなさい。



+1：パーマネント1つを対象とし、他のパーマネント１つを対象とする。その前者をタップし、その後、その後者をアンタップする。

プラス能力はタップ＆アンタップ能力。タミヨウと違うのはタップ能力はあくまで一時的なものでありアンタップ制限を課すものではないというところ。これはかなりの違いです。あくまで相手ターンが来てしまえば普通にアンタップしてしまうため、自身を守ろうと思ったら別途手段が必要になります。
またアンタップ能力もタップの直後に立つため、擬似的なアンブロッカブル＆警戒能力として機能させるのは難しくなっています。
ただタップ、アンタップともにパーマネントであれば制限がないため、この部分をうまく活かしていくことが肝要になります。例えば相手の土地をタップしながらこちらの土地をアンタップすれば実質2マナのマナ差が開くことになりますし、単純にどうしても攻撃を通したい時は単なるタップ手段として使うのも勿論悪くありません。またどうしても必要な時は単なるマナ加速としてカウントするのもあり。

その能力を考えれば、やはり相性がいいのはトリコトラフトやトリコFLASHといった相手のターンにマナを残しながらクリーチャーを展開したいデッキでしょう。このデッキなら相手のクリーチャーをタップする、相手の土地を縛る、自分の土地をアンタップする等全ての行動に意味を与えることが出来ます。



-2： クリーチャー１体かプレイヤー1人を対象とする。ラル・ザレックはそれに3点のダメージを与える。

恐らくはこのカードのメインモード、小マイナスは《稲妻》能力。単純ながら強力なアドバンテージを得られる能力ですね。3点というダメージが与える影響がどれだけ大きいかは最早言うまでもないかと思います。
過去にあった同じ4マナPWである《復讐のアジャニ》に比べると、あちらは《稲妻のらせん》だったので若干見劣りする感も受けます。ただラルの初期忠誠度が4であることを考えると、きっちり2回の能力使用で自殺できるラルの使い勝手も全く悪くありません。寧ろ運用する上では4マナで3点火力×2という置き火力としてもカウントできるためとても便利じゃないでしょうか。



ここまで書くと分かるかと思いますが、過去の《復讐のアジャニ》とは中々面白い対比になっていますね。しかしそんなアジャニと大きく違うのは大マイナス能力。



-7：コイン投げを5回する。表が出た回数１回につき、このターンの後に追加の1ターンを得る。

PWがコインフリップをするという前代未聞の暴挙。実に赤を宿す彼らしいですねｗ
期待値だけで言えば大体2～3ターンを得られることになりますが、勿論運任せであるためその効果が安定しているとは言いがたいのが難しいところ。
だけど一度3ターン以上の追加ターンを得られた場合、さらに別の彼が出てきてまた悪夢のコインフリップタイムが起こります。これは実に恐ろしい。
ただその場で勝負を決める能力でないこと、小マイナス能力の使い勝手の良さを考えるとこの能力はあまり出番があるかどうか分かりません。しかしコントロール相手には容易に到達可能であることや、一度起動できればほぼ詰みであることは確かなので、意図的に狙っていくプレイングもありだと思います。




赤が混じったPWということでどこか危うさも感じるラルですが、使い勝手自体は実に良さそう。まずはトリコに入れてどんな感じか試してみたいところです。